出雲大社のだいこくさまは「因幡の白兎の伝承」にある通り、うさぎと縁の深いつながりがございます。
出雲大社埼玉分院では因幡の白兎は「幸運のうさぎ」にちなみ、授与品として「勾玉うさぎみくじ」をご用意しております。
(オンライン授与所)
勾玉うさぎみくじ
因幡の白兎にちなんだうさぎ型のおみくじです。手には出雲型の勾玉を持っており、おしりのヒモを引っ張るとおみくじが出てくる仕掛けです。中のおみくじは、出雲弁で「縁」にまつわる結果が書かれています。
お正月の挨拶回りやお年賀のお配りものの一つとして、おみくじを楽しんだ後は可愛らしい小さなお飾りとしてお楽しみいただけます。
因幡の白兎の伝承
出雲の国にだいこくさまという神様がいらっしゃいました。 その神様は多くの兄弟神の中でいちばん心のやさしい神様でした。
兄弟の神様たちは因幡の国に八上比売(やかみひめ)という美しい姫がいるという噂を聞き、みんなで会いに行こうと決められました。 だいこくさまは兄弟達の家来のように大きな袋を背負わされ、一番後からついていくことになりました。
兄弟たちが因幡の国の気多の岬を通りかかったとき、体の皮を剥かれて泣いている一匹のうさぎを見つけました。兄弟たちはそのうさぎに意地悪をして、海水を浴びて風にあたるとよいと嘘をつきました。そのうさぎはだまされていることも知らずに、言われるまま海に飛び込み、風当たりのよい丘の上で風に吹かれていました。
そうしていると海水が乾いて傷がもっとひどくヒリヒリ痛みだしました。
前よりも苦しくなって泣いているうさぎのところに、後からついてきただいこくさまが通りかかりました。だいこくさまはそのうさぎを見てどうして泣いているのかわけを聞きました。
そのうさぎは言いました。わたしは隠岐の島に住んでいたのですが、一度この国に渡ってみたいと 思って泳がないでわたる方法を考えていました。するとそこにワニ(サメ)がきたので、わたしは彼らを利用しようと考えました。
わたしはワニに自分の仲間とどっちが多いかくらべっこしようと話をもちかけました。ワニたちは私の言うとおりに背中を並べはじめて、私は数を数えるふりをしながら、向こうの岸まで渡っていきました。
しかし、もう少しというところで私はうまくだませたことが嬉しくなって、つい、だましたことをいってしまいワニを怒らせてしまいました。 そのしかえしに私はワニに皮を剥かれてしまったのです。それから、私が痛くて泣いていると先ほどここを通られた神様たちが、私に海に浸かって風で乾かすとよいとおっしゃったのでそうしたら前よりもっと痛くなったのです。
だいこくさまはそれを聞いてそのうさぎに言いました。 かわいそうに、すぐに真水で体を洗い、それから蒲(がま)の花を摘んできて、その上に寝転ぶといい。そういわれたうさぎは今度は川に浸かり、集めた蒲の花のうえに、静かに寝転びました。そうするとうさぎのからだから毛が生えはじめ、すっかり元のしろうさぎに戻りました。
そのあと、ずい分遅れてだいこくさまは因幡の国につかれましたが、八上比売(やかみひめ)が求められたのは、だいこくさまでした。ご縁を導いた因幡の白兎は「幸運のうさぎ」と言われ、今でもみんなに慕われています。